短頭種気道症候群の代表的な症状
- いびきをかく
- 呼吸音がズーズー、ガーガーする
- 動けない
- 失神
上記の症状に心当たりがある場合は、
愛犬が「呼吸器系の疾患」にかかっている可能性がございます。
短頭種気道症候群の病気について
短頭種のワンちゃんに多い病気として短頭種気道症候群があります。
病気の種類と特徴
現在人気のある短頭種のワンちゃんには、外鼻孔狭窄・軟口蓋過長症・気管低形成・反転喉頭小嚢といった呼吸器に問題を抱えている子が多いです。気道が狭いために、低酸素に陥り易く、高体温にもなりやすいため、熱中症のリスクも高い犬種と言えます。
放置した場合のリスク
短頭種のワンちゃんは、気道開存性と正常呼吸を維持するために、上気道拡張筋群が代償性活動を行っています。そのため、経年負荷がかかり、年齢とともに筋肉に浮腫や線維化が起こり、8歳位で、咽頭虚脱による突然死を起こすリスクが高いと言われています。
当院の短頭種気道症候群の治療の特徴
ダイエット!!
特に、咽頭気道周囲に脂肪がたまっている場合は、より気道を狭くするために、ダイエットが必要です。
鼻腔拡張術(手術)
唯一、視認できる解剖学的異常です。
おうちのワンちゃんの鼻腔を見てみてください。コンマ型をしていれば、鼻腔狭窄はありませんが、L字型をしている場合は、狭窄しているので、手術が必要です。(術式は後ほど。。。)
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OPE必要!
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OPE不要
軟口蓋切除術(手術)
レントゲンで診断できることもありますが、麻酔下で軟口蓋過長の有無を目視にて、確定診断します。
軟口蓋過長を認める場合は、過長している部分を切除します。
麻酔のリスクを下げるために、なるべく1歳未満で手術することがBESTです。遅くても、4歳までに行うことをお勧め致します。6歳以上だとリスクが高くなるため、手術できないこともあります。
いびきは、病気です!!早めに治療をしましょう!
当院の手術の流れ
診療の流れ
当院では術前にしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
以下から手術写真ですので、苦手な方は見ないようにしてください。
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Step
- 鼻腔拡張術
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鼻翼の両脇を楔形に切開して、鼻腔を広げます。
これで随分呼吸の通り道が確保され、呼吸しやすくなります。
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- 鼻腔拡張術後
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鼻腔拡張後の写真です。
鼻腔が円形に広がりました。
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Step
- 軟口蓋切除術
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長すぎて、気道を塞いでいた軟口蓋(人でいうと、喉ちんこ)を切除します。分厚く腫脹しているのがわかります。
※赤い矢印が軟口蓋です。
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Step
- OPE後3~4日して、退院です☆
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1歳未満に上記の手術をした場合の改善率は96%ですが、高齢で手術をした場合の改善率は69%と低くなります。これはこの疾患が進行性であるためです。そのため、早期の治療をお勧め致します。