瞬膜腺脱出(チェリーアイ)の代表的な症状
- 眼を気にする、搔くような仕草が多い
- 涙の量や目やにが増える
- 結膜が赤くなる(結膜炎)
- 眼を痛がる(角膜潰瘍など)
上記の症状に心当たりがある場合は、
愛犬が「瞬膜腺脱出」にかかっている可能性がございます。
瞬膜腺脱出について
瞬膜腺脱出(チェリーアイ)は、第3眼瞼にある瞬膜腺が眼窩内から脱出した状態を指します。
明らかな原因は不明ですが、犬種特異性があり、ビーグル、アメリカン・コッカー、ペキニーズなどが好発犬種に挙げられます。
通常は片側性ですが、3~4割程度の犬種で両側性に発症します。
瞬膜腺脱出の診断&治療の流れ
診断
一般的に診断は目視での確認になります。
通常は2歳以下で発症しているため、高齢での瞬膜腺脱出は炎症性、腫瘍性、大型犬では軟骨反転などが鑑別疾患として挙げられます。
治療
内科的治療としては点眼薬や投薬治療、物理的に目を掻かないようにするエリザベスカラーなどを装着し、保護します。根本的な解決に至らないことが多いため、再発を繰り返すようであれば一般的には外科手術が適応になります。
外科治療にはいくつかの方法があります。
<第三眼瞼切除・摘出術>
以前は一般的に行われていた術式ですが、現在は乾性角結膜炎(dryeye)の発生率が上昇するため、腫瘍摘出などで行われます。
<ポケット法>
突出した第三眼瞼腺を元の位置に埋没する方法です。
<アンカー法>
突出した第三眼瞼腺を元の位置に固定・縫合する方法です。
※ポケット法やアンカー法を併用して行う場合もあります。
眼球摘出(手術)
眼球摘出は様々な原因から選択される手術です
眼球突出(感染症、炎症性、腫瘍性)、緑内障による牛眼、外傷性(骨折、血腫、嚢胞、気腫)などが挙げられます。いずれにおいても内科的管理が困難であり、痛みなどを伴う場合に実施される機会が多いです。
<手術について>
眼球摘出術は、眼球と周辺組織を摘出する方法で、眼球自体、結膜(球結膜、眼瞼結膜)、眼瞼縁を切除、摘出します。術式は経眼瞼法と眼瞼経結膜法があり、症例の状態判断で選択します。