陰睾(鼠径・腹腔内)の代表的な症状
- 陰嚢内に睾丸が1個しか、或いは1個も確認されない。
上記の症状に心当たりがある場合は、
愛犬・愛猫が「陰睾」にかかっている可能性がございます。
陰睾について
精巣は腹腔と呼ばれる腹部の空洞部で形成され、成長に伴い陰嚢内へと移動していきます。
犬や猫ではおよそ出生後30日程度で陰嚢内に移動することが知られています。
ここで、精巣が適切に陰嚢内に移動していかない状態を陰睾と呼びます。
特に腹腔内に精巣が残った状態を腹腔内陰睾、皮膚の直ぐ下に精巣が移動してきたものの、陰嚢まで移動しなかったものを鼠経陰睾と呼びます。
陰睾においては精巣腫瘍のうちセルトリ細胞腫が高頻度に、且つ若齢から発症することが知られています。
セルトリ細胞とは、精子への栄養供給を行う細胞です。
ここで腫瘍が発生すると、雌性化(身体の女性化:乳房の腫大、体脂肪の付き方がメスのようになるなど)や貧血、感染に対する抵抗力の低下などが見られることが知られています。
当院の陰睾治療の特徴
治療方法
陰睾の場合、去勢を行うことが唯一の治療であると言えます。
陰睾では上記の様に、精巣腫瘍が起きやすく、これを予防するために去勢を行う意義が大きいと言えます。
手術に際して
陰睾の場合では、一般的な去勢と異なり、手術を円滑に進めるために精巣の位置を探ることが必要となります。
鼠径部陰睾では手で触れば分かりますが、腹腔内の場合手で触っても分からないため、超音波検査等を行い、精巣の位置を探ります。
当院の手術の流れ
診療の流れ
当院では術前にしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。
解決できるまで何度でも説明します!
以下から手術写真ですので、苦手な方は見ないようにしてください。
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Step
- 初めての来院時
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生後凡そ6ヶ月での去勢をお勧めしております。その際に精巣が移動していることを確認します。ここで移動していないことが確認されれば、陰睾と判断します。
尚、この際に一般的な去勢手術と同様に日程を組みます。
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Step
- 手術当日
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血液検査・レントゲン検査により、麻酔のリスクについて検討します。
また、腹腔内陰睾である場合は同時に超音波検査やレントゲン写真から凡その精巣の位置を検討します。
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- 手術
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事前に探索しておいた位置を基に、精巣を探し、摘出します。
精巣の位置によりかかる時間は左右されます。
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- 会計・次回予約
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手術翌日のご帰宅の際にお会計頂きます。
また、その際に術後の再診予定についてお話させて頂きます。