会陰ヘルニアの代表的な症状
- 肛門の周りが腫れている
- 血便
- 粘液便
- しぶり
- 排便困難
- 排尿困難
上記の症状に心当たりがある場合は、
愛犬が「会陰ヘルニア」にかかっている可能性がございます。
会陰ヘルニアの病気について
病気の種類と特徴
未去勢の老齢犬に多い病気です(去勢済みの犬より2.7倍で罹患しやすい)。特に、コーギー、ダックスフンド、トイプードルで多くみられます。
肛門近くの直腸を支えている筋肉(骨盤隔膜構成筋)が委縮して、隙間ができ、その隙間から直腸や膀胱等が飛び出してしまう病気です。男性ホルモンであるアンドロゲンが骨盤隔膜構成筋を委縮させてしまうと考えられています。
放置した場合のリスク
最初は、血便や粘液便等の症状ですが、進行して膀胱が飛び出すと排尿困難を起こし、腎不全も発症することもあります。また直腸穿孔による感染症や敗血症を併発した場合は、命に関わることもあります。
会陰ヘルニアの診断&治療の流れ
診断
身体検査で、肛門周囲の腫れを確認します。
直腸検査で、直腸の変位を確認します。
レントゲン検査で、ヘルニア輪に何がはまっているかを確認します。
内科治療(あくまでも対症療法)
便を軟らかくして、排便させやすくしたり、 高線維質のフードに変更して頂いたり、十分な水分量を摂取して頂きます。
会陰ヘルニア整復術(手術)
多様な術式があり、開いてしまったヘルニア孔を筋肉で縫合(内閉鎖筋転移術) したり、メッシュ等を用いた整復もします。
病気の発生に男性ホルモンが関与しているので、再発防止のために去勢手術も一緒にします!
当院の手術の流れ
診療の流れ
当院では術前にしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
以下から手術写真ですので、苦手な方は見ないようにしてください。
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Step
- 毛刈り
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肛門周囲の毛をきれいに刈ります。
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Step
- ヘルニア輪整復
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写真の症例は、進行しており、膀胱が逸脱しています。
血行不良を起こしており、色が少し悪くなっています。
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Step
- つづき
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会陰ヘルニアを起こしている症例は、筋肉が萎縮しているため、自分の筋肉で縫合できない場合があります。
その時は、メッシュを用いて、塞いでいきます。
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Step
- OPE後4~6日して、退院です☆
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予防は、若いうちに去勢手術を行うことで、男性ホルモンの影響を断つことで、会陰ヘルニアには、なりにくくなります。