鼠径ヘルニアの代表的な症状
- 足に付け根が膨らんでいる
- 下痢もしくは便秘になる
- 食欲・元気消失
- おしっこが出にくい
上記の症状に心当たりがある場合は、
愛犬が「鼠径ヘルニア」にかかっている可能性がございます。
鼠径ヘルニアの病気について
病気の種類と特徴
鼠径ヘルニアとは、鼠径部と呼ばれる太ももの付け根の隙間から脂肪や腸管が皮下に飛び出す病気です。先天性の場合と、事故などの外傷で後天的に起こる場合があります。
放置した場合のリスク
隙間が小さい場合は、ほとんどが無症状です。ただ、一定以上の大きさのヘルニアやヘルニア内容が腹腔内に戻せないもの(非還納性)の場合は、手術対象になります。
また、膀胱や腸管が入り込み、嵌頓してしまうと重篤な症状を示すことがあるので、注意が必要です。
当院の鼠径ヘルニアの治療の特徴
経過観察
ヘルニア輪が小さい場合は、経過観察となります。
ただ、非還納性に移行していないか、定期的な診察が必要です。
鼠径ヘルニア整復術(手術)
鼠径部に開いているヘルニア輪を縫合し、整復します。
術式は後ほど…
※女の子の場合、妊娠や子宮蓄膿症になると、腹圧が上がり、鼠径ヘルニアが再発する場合がありますので、一緒に避妊手術をすることをお勧め致します。
また、過度な肥満によって、ヘルニア輪が大きくなり、状態が悪化することがありますので、体重管理にも気を付けて頂く必要があります。
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こんなに大きくなることも!
当院の手術の流れ
診療の流れ
当院では術前にしっかりと問診と身体検査を行い、飼い主様の不安と疑問が解消できてからの処置となります。少しでも不安や疑問がある場合は何でも聞いて下さい。解決できるまで何度でも説明します!
以下から手術写真ですので、苦手な方は見ないようにしてください。
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Step
- 切皮
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皮膚を切開し、周囲の組織を剥離していきます。
切開創は、ヘルニアの直上を切る場合と、正中切開する場合があります。
写真は、ヘルニア孔から飛び出している腹腔内脂肪です。
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- 剥離
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ヘルニア孔と癒着している脂肪や臓器を剥離して、ヘルニア孔をきれいに露出させます。
鉗子を入れている所が、ヘルニア孔です。
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- 縫合
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ヘルニアを全て還納し、縫合します。
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- 退院
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オペ3〜4日して退院です☆